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第1回大妻特別講座

第1回大妻特別講座2014年07月04日 17:07

 6月21日(土)午後、第1回 大妻特別講座 『夢と仕事の現実』が行われました。特別講座① 中1から高3までの生徒32名と保護者の方40名の計72名が参加し、「さわやか福祉財団」理事長、大妻学院理事、弁護士の堀田(ほった)力(つとむ)先生のご講演をいただきました。
 先生のお話は、近親者の喪失を通じた生と死の人生への影響から始まり、ご自身の幼少期から青少年期のお話をされる中で、次のような事柄を述べられていました。

・本に囲まれた家庭環境の中で自らも人に感激を与える立場になりたいと小説家を志したということ。
・国や地方自治体が設置した英才教育を行う中学校に通ったものの、過度な詰め込み教育という印象を受け、また、いつもテストがあり結果を張り出されるなど、他者と競うことを強要され、考える余裕がなく勉強が楽しくなかったこと。
・そのような英才教育は差別的で民主主義に反するとのことから廃止され、移った地域の中学校の校長先生が行った性教育を受ける中で生きる意味を考える機会を得られたということ。それは、2億という精子の中から1個が受精したという段階において自分は既に押しのけており、何をするためなどではなく、生きたいという本能で生きていると感じ、生きる意味を考えさせてくれたこと。
・進路を考えるにあたり、小説家になるためには社会について勉強しないと面白い小説が書けないと思い、新聞記者になろうと思ったが、当時の封建的な新聞社では書きたいことを書くことが出来ないと考え、社会について知るには弁護士も良いと思い、法学部に進学したこと。
・法律は人間味に溢れた面白いものだが、大学で学ぶ法律はそうではなかった。その後、司法試験は5年生で受けたが落ちた。ただし、この落ちた経験も良かった、そのまま合格していれば傲慢で嫌な人間になっていただろう。(1年後には合格なさったそうです)。同じ法律に携わる仕事の中でも、社会勉強になるのは検事だと考えられて奉職した。検事にはなりたくてなったので、徹夜も、自白しない秘書との対峙も楽しかった。偏差値等で仕事を決めても仕方ない。仕事は人を幸せにしたいと考えて行うもので、金儲けを目的とするものではない。一つの理由としては儲けたお金の使い道が情けないことが多いからである。物質的な充足は、人間の幸せに繋がらない。人の笑顔が嬉しい。職業が楽しい。嫌なことを我慢して続けるのは難しい。自分が楽しいと思える職業に就けると良い。

 質疑応答の中で生徒から、「自分が好きではないが人の役に立つことが明確な職業と、自分が好きな職業どちらを選んだほうがよいか」、という質問がありました。それに対する先生の回答として、「好きなほうを選んだほうが良いだろう、それは結果として必ず人の役に立つことができるからである。しかし、もう一方の今は好きでないと思っているほうを選んだとしても、喜んでくれる人がいれば、もっと喜んでもらおうと結果として好きになるだろう」、とのことでした。これから数年後に社会に出ていく生徒たちにとって、心に響くお言葉だったことと思います。
 今後も、大妻中高では、生徒の興味があるさまざまな分野の専門の先生をお招きし、生徒のキャリア教育に役立てられればと思います。第2回大妻特別講座は、9月27日に行われる予定です。

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