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中学 卒業式

中学 卒業式2012年03月19日 13:31

 3月19日(月)、大妻講堂にて中学卒業式が行われました。277名が大妻中学校をめでたく卒業し、高校生という新たなステージを目前に、成長の足跡を振り返り、志を新たにしました。
在校生送辞学校長告示卒業生呼名
~卒業生総代答辞~
 穏やかな春の日差しに誘われるように、千鳥ヶ淵の桜のつぼみもほころび始めました。
 ただ今は、校長先生をはじめ、ご来賓の皆様方、在校生の方からの温かいご祝辞と励ましのお言葉を賜わりましたことを、心より御礼申し上げます。
 光陰矢の如し。月日の流れるのは早いもので、私たちの中学校生活が、今、終わろうとしています。
 私たちが生を受けた日からおよそ十五年、この中学校での三年間は言葉では簡単に表せないけれど、とても充実した日々でした。思い返してみると、楽しかったこと、嬉しかったこと、辛かったこと、悲しかったこと、そして二百七十七人の仲間たちから沢山の感動を貰うことができました。この全ての思い出は
私たちにとって、なによりも大切な宝物です。
 小学生気分がまだ抜けない中学一年の頃、今思えば、まるで別人のように感じます。三年前、満開の桜のなか、私たちは、この大妻中学校に入学しました。慣れない電車通学が始まる中、今までにない、いろいろなたくさんの友達と出会い、私たちの世界は大きく広がりました。新入生歓迎会、体育祭、林間学校などの行事を通して私たちは大妻の伝統を感じ、徐々に大妻での生活に慣れて行きました。
 文化祭を控えた九月頃、世界的な豚インフルエンザの大流行が起こりました。文化祭の一般公開は中止となり、学級閉鎖、学年閉鎖そして学校閉鎖にまでなりました。それでも私たちはウィルスなどには負けずに、まだまだ新鮮な中学校生活を存分に楽しみました。
 二年生になると後輩ができ、部活動や委員会などで少し責任のある仕事を任されるようになりました。研究論文を書くという新しい試みや修学旅行への準備がされる中、私たちは部活動や勉強など、それぞれが興味のあることへ熱中していきました。
 そんな華々しい中学校生活二年目が幕を閉じようとしていた三月十一日、突然、東日本大震災が起こりました。予定されていた行事は全て中止され、部活動は禁止となり、余震の続く中、私たちは震災に対してさまざまな思いを抱きました。
 一ヶ月と長い春休みを終え、私たちは三年生となって再び学校へ戻りました。中学最高学年として、今までの経験を生かして後輩たちを率いて行くはずが、自粛ムードであったり、防災のためであったり、何もかもが異例で、初めての体験となりました。しかし、先生方や生徒の努力で異例な形とはなるものの中止となる行事はありませんでした。
 中でも最も異例な形となったのが修学旅行です。季節に宿舎、服装までもが例年と異なりました。それでも、日本が大変な状況にある中、修学旅行を行えたことで、私たちの修学旅行にかける思いはいっそう強くなりました。暑さへの心配がされる中、当日の予報は台風直撃。しかし、私たちの強い思いが届いたのか、台風はそれ、大雨に見舞われたのは一日目のみで、残りの日は曇りと涼しく、過ごしやすい天候となりました。桜はなかったけれども、青々とした木々や夏の日差しに照らされた境内の石は美しく、夏ならではの京都・奈良を満喫できました。いままでも、そしてこれからも行われることのない特別な修学旅行となりました。
 そして先月、中学校最後の行事である合唱コンクールが行われました。私たちは高得点をとるためではなく、歌に込めたこの三年間の全ての思いを伝えるために歌いました。
 いよいよ卒業まで残り一ヶ月、二年間同じ教室で過ごしたクラスの仲間との時間を大切に過ごし、今日、この日を迎えました。
 私たちの三年間は異例な事ばかりでした。しかし、だからこそ学べた事も多くあります。
 一つは、何が起ころうと冷静に、そして臨機応変に対応することです。二つ目は、たとえ異例な形になろうとも全力を尽くすことです。そして三つ目は、何事もなく日常を過ごせることはとても幸せだということです。これらのことは私たちが何十年、何百年に一回の貴重な体験をしなくては学べませんでした。
 現在、日本には震災・原発・社会保障などの様々な課題があります。そして世界には戦争や貧困、環境破壊など、さらに大きな課題があります。私たちの役割は、これらの課題を抱えた社会を将来引継ぎ、発展させていくことです。高校とは、そんな私たちを夢へと導き、育てるところなのだと思います。大妻高校へ行く人も、行かない人も、今具体的な夢を持っている人も、持っていない人も、高校でさらに大人へと勇往邁進、進んでまいります。
 三年間どんなことがあろうとも、私たちのためを考え、努力してくださった先生方、私たちを陰で大きく支えてくださった事務・用務の方々、ありがとうございました。皆さまのおかげで異例ながらも楽しく充実した学校生活を送れました。
 いつも一番近くで私たちを見守り、支えてくださった家族の皆様、ありがとうございました。どんな時もやはり家族の支えが一番でした。
 そして在校生の皆様、学校生活のあらゆるところで私たちに協力してくださり、ありがとうございました。私たちが卒業した後、立派な二年生、三年生へと成長していただきたいです。
 最後になりましたが、大妻中学校のますますのご発展をお祈り申しあげ、答辞とさせていただきます。
卒業生退場卒業生答辞在校生による「蛍の光」斉唱