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1学期が終わりました
皆さま、ごきげんよう。
お陰様で本日無事に1学期を終えることができました。高校終業式での校長のことばをお届けいたします。少し長いのですが、お付き合いください。
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今日で1学期も終わります。新しいクラスや新しい学び、新しい仕事や責任。高校生活の中でも、変化の大きい3か月半だったのではないでしょうか。
この間の授業や行事、日々の友人とのやりとりの中で、自分なりの考え方や、物事の見方が少しずつ育ってきていることに気づいていますか。たとえそれが目に見える成果でなくても、自分の内側に小さな変化が芽生えているのなら、それは紛れもなく1学期の学びの証だと思います。
さて、終業式は、学期を締めくくる日であると同時に、1学期の自分を振り返る日でもあります。ここで大切にしてほしいのは、『私』を主語にして振り返ってほしいということです。
たとえば、「授業がわかりづらかった」「クラスの雰囲気が楽しくなかった」などの言い方は、主語が曖昧なために、自分の成長にはつながりにくいのです。「『私』は授業に集中できていただろうか」「『私』はクラスでどんなふるまいをしていただろうか」。こんなふうに自身の行動や気持ちを丁寧に見つめることが、次のステップへの鍵になると思います。
「1学期にもっと勉強しておけばよかった」と悔やんでいる人もいるかもしれません。「『私』はどの瞬間に手を抜いてしまったのだろうか」と振り返ると、自分の弱点がだんだんと見えてくるはずです。そこから具体的な対策を立てることができます。自分を知ることが、自分を変える第一歩になるのですね。
かくいう私自身の1学期の振り返りは、「私は生徒の姿をきちんと見ていただろうか」というものです。不十分だったところも多いと感じています。2学期は、これまで以上に授業や部活動の様子を見に行き、皆さんのありのままの姿に触れながら、より良い学校づくりにつなげていきたいと考えています。
そして、もう一つお伝えしたいのは、高校生にとっての夏休みは「学びを深める時間」だということです。
実は、中学生の始業式で、中学生の夏休みは「学びを広げる時間」だとお話しました。しかし高校生の皆さんには、学びを広げるだけでなく、深める力を求めたいと思っているのです。
学びを深めるとはどういうことでしょう。
例えば(参議院議員選挙、トランプ関税など具体例を挙げました)。このように問いを立てることが、高校生らしい深い学びにつながるのです。同じ事象でも、視点を変えることで新たな発見があるはずです。
自分の興味を掘り下げてみることも、深い学びにつながります。英字新聞の記事を比較して、自分の意見を英語でまとめてみたり、好きな画家の作品を追いかけて美術館を巡ったり、その画家の背景や思想について調べてみたりするのも面白いでしょう。
「夏休みは自由に過ごせるはずなのに、面倒くさい」なんて思わないでくださいね。「自由」というのは、ただ気ままに過ごすことではありません。何をするかを自分で考え、行動することです。この夏休みを、主体的な学びを深める時間として活用してください。
最後に、高校3年生の皆さんへメッセージを送ります。
いよいよ本格的な受験シーズンが始まります。この夏休みは、皆さんの将来にとってとても大きな意味を持つ時間になることでしょう。何年か後に「あんなに勉強した夏はなかった」と誇れるように、思い切って勉強に打ち込んでください。学校の自習室も、職員室の先生方も、どうぞ遠慮なく「使い倒して」ください。質問、相談事は大歓迎です。私たち教員は、皆さんの挑戦を全力でサポートします。模試の判定だけに一喜一憂せず、自分の軸を持ってこの夏を過ごしてほしい。自分を信じて、頑張ってください。
この夏休みが、実り多く、そして新しい発見に満ちた時間となることを心から願っています。2学期にまた元気な皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。
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明日も、皆さまにとって素晴らしい一日となりますように。
ごきげんよう。