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かかわる力をどう育むか
皆さま、ごきげんよう。
先日、中学校2学年でLHRの時間を利用して「かかわる力講座」を開催いたしました。
この講座は、生徒たちの人間関係構築を目的としたワークショップで、大妻独自の取り組みです。現在の中学2年生は、昨年度から継続してこのような学びを深めています。
思春期を迎え、自我が芽生えるこの大切な時期は、「あの人は自分とは違う考え方を持っている」ということに過敏になり、人間関係に悩む生徒が増えやすい時期でもあります。今回の講座では、「自分の気持ちを大切にしながら、相手の気持ちも考えて行動するにはどうすればよいか」をテーマに、クラスメートとディスカッションを重ね、共に考えることを目指しました。
学校生活における様々な場面を想定し、それぞれの場面で自分がどのように感じるか、相手はどう思うかを丁寧に考察していきます。まずは個人でじっくりと考え、次にグループで話し合うという段階的な活動を通して、生徒たちは自分とは異なる多様な意見に触れていきます。
このワークショップには決まった正解はありません。クラスで意見を統一することも目的としていません。ワークショップでの活動そのものが、「自分を大切にしながら、相手のことも考える」というプロセスであることを、生徒たちは感じ取ってくれたでしょうか。
各グループは、机の向きを変えて活発に話し合いを行います。あるグループでは、メンバーの人数の関係で、端の席に座る生徒がおりました。話し合いが進む中、一人の生徒がふとそれに気づき、「こっちに座ったら」と声をかけました。それは、その生徒が話し合いに参加しやすいように、スペースを作り、促す行動でした。小さな出来事ではありましたが、他者への細やかな気遣いに気づいた瞬間であり、見学していた私にとって喜ばしい光景でした。
「かかわる力」は、一朝一夕に身につくものではありません。時には失敗もあるでしょう。しかし、今後も生徒たちを見守りながら、相手を思いやる共感力を育んでいきたいと思います。
明日も皆さまにとって素晴らしい一日となりますように。
ごきげんよう。