大妻中学高等学校

校長先生のお便り

Principal's Letter

校長先生のお便り
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考える教室

皆さま、ごきげんよう。

新年度が始まって1か月、学校にも少しずつ日常のリズムが戻ってきました。
私は時間を見つけては校内を歩き、授業中の教室をのぞいています。
4月は、主に中学の教室を回りました。

廊下を歩いていると、教室から元気な声が聞こえてくることがあります。
意見を交わす声、友人の発言に笑い転げる声。
中1の教室では、「My favorite food is(  )」にあてはめて、英語で自己紹介しておりました。
もじもじする生徒に、ネイティブの先生が助け舟を出します。
「Please say it in Japanese.」
「…ちくわ」
「Well, chikuwa in the oden? Chikuwa is just called “chikuwa” in English, too.」
次の瞬間、教室に笑いが広がりました。
安心したように声を上げる生徒もいて、空気がふっとほどけます。
こうした教室には、目に見える活気があります。
学校という場所の明るさを感じる時間です。

一方で、驚くほど静かな教室もあります。
ある教室はあまりにしんとしているので、「まさか、みんな眠っているのでは」と思い、そっとのぞいてみました。
ところが、そこにあったのは、想像とは全く違う光景でした。
生徒たちは皆、真剣な表情で数学の問題に向き合っていました。
顔を上げる生徒もほとんどいません。
声は聞こえません。しかし、生徒たちの頭の中でエンジンが全速力で回っている、そんな感を受けました。

隣の教室もまた、とても静かでした。こちらは論文の授業中です。
黒板には、「調べてすぐに答えが出ることは、論文のテーマにならない」とありました。
例として挙げられていたのは、「なぜ筋肉痛になるのか」。これだけなら調べればすぐ答えが出るでしょう。
しかし、そこから一歩進めて、「筋肉痛になりにくいバスケットボールの練習方法と休み方を提案する」となれば、調べた知識をもとに、自分なりの考えを組み立てなくてはなりません。競技の特性や中学生の身体の発達なども考え合わせながら、一つの提案へとつなげていくのです。
生徒たちは、タブレットを見つめながら、自分のテーマについて考えこんでいるようでした。
先生は教室の中を静かに回り、時折、生徒の質問に答えたり、考える道筋を示したりしていました。
その教室には、大きな声も、笑い声もありません。
しかし、私はそこにも確かな活気を感じたのです。

にぎやかな教室の活気、静かな教室の活気。
大切なのは、そこに「考える時間」があるかどうかです。
友とともに学ぶ時間も、一人で問いと向き合う時間も、生徒たちの心と頭が動いているならば、その授業は生きています。
本校の教室を、そんな授業で満たしたい。
4月の教室を回りながら、私はそんなことを考えていました。

いよいよ連休に入ります。
少し身体を休めて力を蓄えた生徒たちが、連休明けにまた元気に授業に向かってくれることを期待しています。
明日も皆さまにとって素晴らしい一日となりますように。

ごきげんよう。

大妻中学高等学校
校長 赤塚 宏子