大妻中学高等学校

校長先生のお便り

Principal's Letter

校長先生のお便り
  • 受験生
  • 在校生・保護者
  • 卒業生

みんな、ありがとう

皆さま、ごきげんよう。

1年の歩みを振り返る年の瀬、いかがお過ごしでしょうか。

本日から2日間、大学校舎をお借りして、本校共催の「模擬国連 Global Project 2025 Winter Model UN」が開催されております。1つのテーマのもと、各国の大使に扮した中高生たちが議論を重ね、自国の国益を踏まえながら、実効性のある解決策を模索する2日間です。今回のテーマは、「児童搾取の根絶と子どもの権利の保護」という、きわめて重要な課題です。

60ページにも及ぶBackground Guide(議題解説書)を、本校の高校1年生6名が中心になって書きあげました。彼女たちは、「同世代の問題でもあり」「知らないままで過ごしてよいのかと考えた」と、その強い思いも語ってくれました。

開会式の冒頭では、ユニセフ東京事務所所長のSaul Guerrero Oteyza氏より、「この問題の解決には『学ぶこと』『周囲と話すこと』そして『日常の小さな選択を正しく行うこと』の3つが不可欠であり、それこそが問題を自分事としてとらえる第一歩である」というメッセージをいただきました。中高生にもできる取り組みがあるのだと、参加者一人一人が勇気づけられたことと思います。

様々な学校から集った中高生たちは、国際的な課題を前に、「どうすれば皆が幸せになる世界を作ることができるのか」を真剣に考える人たちです。

* *

一方、校内では、こんな出来事がありました。

トントンと、少し恥ずかしそうに校長室を訪ねてきた中学生4人。手には一輪のガーベラがありました。「美術部のデッサンで使ったお花なのですが、先生に」と差し出してくれたのです。「どうして?」とつい無粋な質問をする私に、「先生が喜ぶかと思って」と言い残し、走り去っていきました。

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本校には、世界の子どもたちのために議論を重ねる「大使」もいれば、そっと人を思いやれる「天使」もいます。共通しているのは、「自分以外の誰かにも幸せになってほしい」という、あたたかい心を持っていることです。

こうした生徒たちと日々をともにできることを、校長として、また1人の教員として、感謝せずにはいられません。

みんな、ありがとう。来年もどうぞよろしくね。

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新たな1年が、皆さまにとって素晴らしい年になりますように。

ごきげんよう。

大妻中学高等学校
校長 赤塚 宏子