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朝の挨拶に思う
皆さま、ごきげんよう。
前回のお便りから少し間が空いてしまいました。この間にも、皆さまにお伝えしたい出来事がたくさんありました。
6月には、生徒たちが模擬国連で素晴らしい活躍を見せてくれました。また、大妻コタカ記念会(大妻学院の同窓会組織)が主催する会では、『魔女の宅急便』の作者であり本校の卒業生でもある角野栄子さんのお話を伺う機会に恵まれました。さらに、「大妻 be ambitious プロジェクト」の一環として、前理事長・伊藤正直先生の講演も開催され、どれも心に残る時間となりました。
さて、今日は少し身近な、しかし私にとって大切なお話をしたいと思います。
4月に校長として着任して以来、私は毎朝正門に立って、生徒たちに「おはよう」と声をかけています。
どれほどAIが進化しても、人と人とのつながりは変わらぬ価値を持つでしょう。そして、その絆の始まりは、やはり「挨拶」だと信じています。初めは恥ずかしそうにしていた生徒たちも、今では少しずつ笑顔で挨拶を返してくれるようになりました。明るく元気に声をかけてくれる生徒、そっと会釈をしてくれる生徒。朝練を終えた部活動の生徒たちは、とびきりの声で挨拶してくれます。その一瞬一瞬が私にとって何よりの喜びです。
正門に立ちながら、私はいろいろなことを考えます。
「いつも元気いっぱいに挨拶してくれる生徒が、今日は静かだったけれど、体調は大丈夫かしら」「本当に楽しそうにおしゃべりしているね。通行中の方にも気を配ってね」「手にプリントを持っているけれど、今日は小テストがあるのかな」
毎朝の挨拶を通じて、生徒たちには「私は大切にされている」「この場所は私の居場所なんだ」と感じてもらいたいと願っています。そして私自身も、生徒たちとまなざしを交わすことで、お預かりしている一人ひとりの存在の重みをあらためて心に刻んでいるのです。
朝のひとときは、生徒たちだけでなく、学校を支えてくださる周囲の皆さまとのつながりを感じる時間でもあります。登校時には、ミニパトカーが周辺を巡回し、生徒たちを見守ってくださいます。ご近所の方が温かく挨拶を返してくださったり、外国からの観光客の方が「Good morning!」と声をかけてくださることもあります。雨の日も猛暑の日も、守衛さんたちは生徒たちが安全に登校できるよう、しっかりと門を守ってくれています。
ほんのひと言、言葉を交わすだけで、心の距離はぐっと縮まるものですね。皆さまに見守られていることのありがたさ、そして感謝を、私は日々実感しています。
明日も、皆さまにとって素晴らしい一日となりますように。
ごきげんよう。