OTSUMA JUNIOR & SENIOR HIGH SCHOOL

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とっておきの景色

皆さま、ごきげんよう。
台風5号の影響により、本日は生徒たちを早めに下校させることにいたしました。いつも元気な声が響いている教室や廊下もすっかり静まり返り、窓の外では木々が風に揺れています。

さて、そんな静かな午後に、私のとっておきの「お気に入りの場所」をご紹介いたしましょう。

本校の正門を入ると、6本の大きな桂の木が皆さまをお迎えします。2004年に現在の校舎が完成して以来、約20年にわたりまっすぐ大きく成長し、美しい樹形を見せてくれています。植えられている位置も絶妙で、正門からやや内側に向かって並ぶその姿は、遠近法の効果もあり、校舎に奥行きを感じさせてくれるのです。

今の季節、ハート形の葉が茂り、その鮮やかな緑が校長室の窓に映って、目に眩しいほどです。もちろん、正門から見上げる桂の木も大好きなのですが、実はこの木々を様々な角度から観察できる、とっておきの場所が校舎の中にあるのです。

本校の校舎は、地下1階地上9階建ての構造で、北側に設けられた階段がガラス張りになっています。この北階段から、桂の木を上から下まで立体的に見ることができます。たとえば、9階から階段を下ってくると、6階付近では桂の木の先端が、4階あたりでは葉が密集する中層部が、そして2階に至る頃には、たくましい幹が、目の前に現れるのです。 鳥にしか見ることのできない樹冠の景色。光を受け取ろうと、葉が一枚一枚、面を広げて光の方向へと向かっている姿。その様子を、地上にいながらじっくり観察できる贅沢。まるで一本の木の中を旅しているかのような感覚です。同じ木でも、視点が変わればこんなにも印象が違うのかと、自然の奥深さをあらためて感じさせられます。

毎日階段を上り下りする生徒たちが、見慣れた風景の中に小さな発見を重ねてくれていると嬉しいのですが。学びも成長も観察も、視点を変えることでぐっと深まる、そんなことを桂の木が静かに教えてくれている気がします。

皆さまにも、機会がありましたらぜひ一度、北階段からの眺めをご覧いただければと思います。

明日も、皆さまにとって素晴らしい一日となりますように。

ごきげんよう。

*受験生向けの校内案内は4階までとさせていただいております。あらかじめご了承ください。

大妻中学高等学校
校長 赤塚 宏子