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 『平成19年度 卒業生答辞』
3月19日(水)に卒業式がおこなわれました。
卒業生(高校生)の答辞をご紹介します。
答辞(全文)

暖かな日射しの中、やわらかな風で千鳥が淵の水面がきらきらと揺れる、穏やかな春を迎えました。

本日は、私たちのためにこのような盛大な式を挙行していただきましたことを、心より御礼申し上げます。また、只今頂戴いたしました、皆様からの多くのご祝辞や温かい言葉を胸に刻み、感謝の気持ちを感じつつ、私たちは今日大妻を卒業いたします。

思い返せば、私たちの高校生活は短くも、大変充実した三年間だったと思います。学校行事に積極的に参加し、多くのことを学び、また感じてきました。

中学生気分が抜けぬまま、新たな生活に期待と不安を抱きながら高校に入学した、三年前の四月。箱根でのオリエンテーションでは、新たな友達との親睦を深め、ディベートを通じて将来について深く考えました。自分の夢や目標、女性としての生き方といった問題にはじめて向き合い、高校生として大人への一歩を踏み出しました。

高校の生活にもなじんだころ、二年生となり、旅行委員長として迎えた修学旅行では、九州の雄大な自然と数多くの文化に触れました。特に阿蘇山では、重い雲の切れ間から射し込んだ光を受けて、エメラルドグリーンに輝いていた火口をはっきりと覚えています。知覧特攻平和会館や長崎原爆資料館では、戦争の悲惨な歴史を学びました。実際に戦争を経験された方々が訥々とした口調で私たちに語りかけてくださった言葉は今でも印象に残っています。私たちと同世代の特攻隊員たちが、不安や恐怖の中で、最後まで家族や恋人を想って書いた遺書には涙が止まりませんでした。戦争については今までも様々なことを学び、考えてきましたが、これ以上戦争で苦しむ人がいてはいけないと、平和への願いが一層強まりました。

高校三年生になり、日本武道館での体育祭を迎えました。例年よりも開催が早まるなど、事情の違う体育祭でしたが、自分たちのアイデアを多く盛り込んだ体育祭にしようと、実行委員をはじめ、学年で団結し、準備をすすめました。先生方への感謝の気持ちを込めたThank You Our Teachers。仮装のテーマを学年で統一し、先生に一番似合うキャラクターの衣装を考えました。また、修学旅行で感じた平和への願いは三年間の集大成としてダンスで表現しました。私たちらしい体育祭となり、大成功を収めたといえるでしょう。最後の体育祭で、何よりも印象に残っているのは、応援団のみんなの勇姿です。四十八代続く伝統の重みと責任を抱えながら、練習を行う姿に、どの色も優勝をさせてあげたいと思いました。本番での全身全霊をかけた応援に引き込まれ、優勝よりも力を出し切ってほしいという気持ちになりました。閉会式で彼女たちと、肩を組みながら涙を流して校歌を歌ったことは、一生の思い出です。

体育祭と並ぶ大妻での大きな学校行事は、文化祭です。特に二年生の文化祭では、それぞれが部活や有志、実行委員の中心的存在として日々の成果を発揮しようと努めました。その中で、私は文化局次長、また文化祭実行委員として顧問の先生方のご指導や、各文実のリーダー・サブリーダー達との会議をくり返し、文化祭の成功を目指しました。直前はかなり忙しくなり、些細なことに腹を立てることもありましたし、資料づくりに予想以上に手間がかかりました。学校をまとめることの難しさに直面しましたが、友達に励まされ、みんなで助け合いながら文化祭も成功させたのです。閉会の辞のあと、舞台の袖で笑顔とともにみんなでお疲れさま、と言い合ったことは忘れません。

そして今日、大妻での最後の行事である、卒業式を迎えました。新たな世界への期待は膨らみますが、それと同時に、やはり長い年月を過ごした大妻への別れを惜しむ気持ちが湧いてきます。私は大妻が大好きでした。なぜならここには尊敬できる先生方、そして大切な友達がいるからです。

先生方には多くの場面で支えていただきました。進路のことで、たくさんの相談にのっていただきました。授業の中では、何が原因で、それによって何が起こるのか、と物事を深く見つめることこそが本当の勉強なのだと教えていただきました。先生方は授業を通じて、知識だけではなく、学ぶことの面白さを私たちに教えてくださったと思います。先生方のおかげで、本当の意味で高校を卒業することができます。

また、高校生活の中で、家族よりも多くの言葉を交わし、時間をともに過ごした友達は、かけがえのない存在でした。ある時、教室でどうしようもなく不安に襲われ、友達に悩みを打ち明けたことがありました。自分でもどうやって話したのか覚えていませんが、長い時間をかけ、少しずつ、とぎれとぎれに話をしました。最後まで聞いてくれた友達は、こう言ってくれました。「自分の甘さに気付けたのはとても大きなことだし、それを解決しようとして頑張っているの、わかるから。」その一言で、話さなくても、私をちゃんと見ていてくれる人がいる、気持ちを感じ取ってくれる人がいる、ということを知ったのです。友達ほど心強く、かけがえのないものはありません。「おはよう」の挨拶から始まる友達との会話、冗談を言ったり大声ではしゃいだこと、趣味について熱く語り合ったこと。進路や将来のことについて真剣に語り合ったこと、意見をぶつけあったこと。こういった日常の風景も大妻の伝統のひとつなのだろうと思います。友達とともに卒業できることは大きな喜びです。

大妻での生活は本当に多くの方々の力に支えられていました。職員の方々が、私たちの学校生活を陰で見守ってくださいました。毎日校門であいさつを交わす守衛さんには、笑顔と元気をいただきました。応援団の団幕づくりの時に、床を派手に汚して焦る私たちに、そっとスポンジを貸してくださったお掃除の方にも、本当に助けられました。先輩方には、大妻での学校生活をはじめ、部活動や委員会の運営についても多くのことを教えてくださいました。しっかりした後輩たちは、様々な面で私たちを助けてくれました。大妻という素晴らしい学校に通わせてくれた家族には本当に感謝しています。学校での悩み事をきいてもらうこともありました。仕事や家事で忙しい中、沢山迷惑や心配をかけて、いつも助けてもらってばかりでした。今、思い返せば、私たちの力になってくださった方ばかりです。本当に感謝しています。

感謝の気持ち、惜別の気持ちは尽きませんが、私たちはまもなく大妻を去ります。自分の夢への第一歩を、この大妻で踏み出せたことは、何よりの幸せです。素晴らしい先生方、大切な友達、支えてくれたたくさんの方々、本当にありがとうございました。皆さんのことを心の糧として、これから私たちは、自分の力で歩んでいきます。本当にありがとうございました。

最後になりましたが、本日はご多忙の中ご臨席くださいましたご来賓の皆様に深く御礼申し上げます。私たちの大切な母校である大妻中学・高等学校の益々の発展を心より願い、答辞とさせていただきます。


平成20年3月19日
平成19年度 卒業生総代
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